2013/12/13

906


『人間の絵の具』


土と砂の違いは、その粒の直径によるものであって、
成分の違いによるものではない。
「はい!」
土には様々な色相から区別される呼び名があり、
赤土、黒土、黄土、などがそれである。
「はい!」
一般に、
赤土から作られた人間は、インディアンと呼ばる。「はい!」
黒土から作られた人間は、アフリカ人と呼ばる。「はい!」
黄土から作られた人間は、アジア人と呼ばれる。「はい!」
甲子園の土から作られた人間は高校球児と呼ばれる。「はい!」

「どうして僕らは産まれたの?」
なんて聞いてくる子供にはそのように教える。
「だから、僕の肌の色は、みんなと違うんだね。」
子供はすぐに信じる。

お話を続ける。

色のついた人間たちは、そのままでは用途を果たせないため、
加工しなければならない。「はい!」
彼らはまず、きれいに水洗いされる。「はい!」
身体を清潔にした後、干して乾燥させて、器の上で砕かれる。「はい!」
それから、ニカワや油、蜜蝋などの定着材を加え、
チュ−ブに詰め込まれる。「はい!」
このようにして、人間は絵の具になる。

人間の絵の具。

子供には、そのように教える。
子供は興奮して、なかなか寝付いてくれない。
だから、お話を続けた。

人間の絵の具は市販の絵の具に比べて珍しい特色を持ちます。
人間の絵の具はキャンパスの上に乗せられると好き勝手に動き出します。
好き勝手に動き出すから、

「僕たちに絵筆はいらない!」

僕たちは、チューブから出れば、やりたい放題、自由に動いて、
それで、僕たちは、僕たちの色を、表現するべく、絵を描く。

動物の絵。動物を狩りたてる絵。狩りたてた動物を調理する絵。
夜の絵。眠る姿の絵。
女の身体の絵。みんなで踊り狂う絵。
チューニングを確かめる絵。精霊の絵。月光の絵。
大鹿にマンモス、水牛の絵。猫が張り裂ける絵。
走る絵。歩く絵。喜ぶ絵。悲しむ絵。死者の絵。祈る絵。
鳥の絵。飛び立つ絵。朝の絵。太陽の絵。
森の絵。空の絵。海の絵。大地の絵。
大地の上に立っている絵。
立って叫ぶ絵。
言葉、言語、集落、社会、人間の絵。
人間たちの絵。
人間たちがたくさんいる絵。
人間たちがたくさん集まって踊る絵。
踊って、そのうち、人間たちが争う絵。
僕たち同士が争う絵。

「僕たちは!」

人間の絵の具はキャンパスの上で戦争を始めて、
世の中をカラフルにした後にぐちゃぐちゃに混じり合って、
グレイシュになった。
黒く油を浮かせて、炭化した。
固まって、アスファルトになった。
踏んづけられて地層の中に埋もれていった。
そんな記録が今も残るのは、
昔から、洞窟の壁画や住居の装飾に、
人間の絵の具が、使われていたからでした。


12.13


他人の気持ちが全くもって分からない
と謂うのが コミュニケーションに於ける不文律であるから
あなたの気持ちなんて さっぱり分からない
何を考えているのか さっぱり分からない
何を隠しているのか さっぱり分からない
何を言いたいのか さっぱり分からない
だから私は キッパリと謂います

 好きです 付き合って下さい


2013/10/07

100.6


いいえ
私は掃除が好きなので
掃除をする為に この部屋を散らかしているのです
でも 散らかしてしまって ごめんなさい
そして 叱ってくれて ありがとう
謝罪することと感謝することが 射精よりも気持ちいいので
一日中 謝罪と感謝をしていたから 全身は浮遊感に包まれる
土下座による血行改善 緩やかな血流がアルカロイドを合成し
全身がどうでもよい
どうでもよいものを クリームチーズと一緒に
パンに挟んで食べます
これが本日のレシピ もしくは 処方箋であって
食事のあとは 全身の力が抜けて 腑抜けて のんびりと暮らしていく
明日が世界の終わりでも 慌てない 焦らない 走らない
頭の中が真白
右腕を捥いで放り投げたっていい
脚をここに置いて行ったっていい
全身がフワフワで どうでもよい

あれは 蜃気楼
フラフラになりながら 生活 生活 生活 と呟いている者が
作り出した 蜃気楼
だから
腹を空かしたり 惨めな思いをしたりして
抗い 努力をして 報われようする者のもとへ行って
私はこう謂います

『あきらめなさい』

2013/09/23

88



箪笥に収まりきらない服
棚の上に詰まれた本
散らかったビニール袋
散らかった贅肉
棚の上に詰まれた贅肉
箪笥に収まりきらない贅肉

箪笥に収まりきらない脳味噌
棚の上に詰まれた脳味噌
散らかった脳味噌
散らかった排泄物
棚の上に詰まれた排泄物
箪笥に収まりきらない排泄物

私の頭蓋骨に収まりきらない服、本、ビニール袋、贅肉、脳味噌、排泄物たちのレイアウトが決まらないので
部屋から一歩も出られない

2013/08/31

97


前田台団地のバス停留所の時刻表には
規則的な数列が書いてあるのだが
バスの運行状況は 不規則な為
お客様には お待たせして 大変 申し訳ないのですが
只今 背広を着たおじさんと 背広を着たおじさんが
手をつないで 歩いていました
通りすがりの人々は ジロジロ見てくる
おじさんと おじさんは 大変 変態 申し訳ないのですが
変態 の 頭文字をとって H から ヒーロー
と名乗った前田台団地三〇三号室のHさんは
五十を過ぎても カルピスの原液を入れ過ぎだと 家族に咎められ
大変 申し訳ないのですが どうか 後一滴だけでも
入れては 頂けないでしょうか?
ダメでしょうか? 分かりました それでは 家出をします
荷物をまとめて 社会の窓から Hさんは 失踪して
前田台団地のバス停留所から 乗って
とりあえず 終点までと思ったのですが
気付くと ここは 金星でしょうか
この星の表面には とても強い風が流れている
秒速100メートル
空からは バケツをひっくり返したような 破水
水道水を天然水で薄めて飲む
口の中には幸せの原液
利き手の指全てに包帯が巻いてあるのに 箸でご飯を食べている
口にチョコをべったり付けている
実物の方が 百倍かわいい って言われるの
おじさんは
葬式に行ったら 追い返されました
夜中になって 次第に喘ぎ声がニワトリのようになり
よくよく見ればニワトリだった
新潟のロシア人
本当の公開処刑
リアルな豚の貯金箱
その国の通貨には女の裸が印刷されていた 1000 eros
口にチョコをべったり付けている
満場一致
何は 何かだ
人生の半分は キスしていたい
実家に帰れば ケンタウルスの煮物
冷蔵庫には いれなくてもいい野菜
何ひとつ意外なことは起こらない日々
何ひとつ 箸でつまめない
自分をさらけ出している方はとても素敵なのですが
自分をさらけ出す為には 自分が何であるのかを知る必要があり
つまりは 自分と向き合わなければならないようなので
カルピスの原液を入れ過ぎだと咎められ
ひっくり返したら ひっくり返った
カエル倒立デッサン教室
口にチョコをべったり付けている
口にチョコをべったり付けていたんだオレは
ずっと 死ぬのを待っていた
月をつまんで 半時でも戻せれば
積み上げた貯蓄で
老後は全て キスして過ごす

2013/07/22

0.721


排水口が二つ
ダムの水門に蛇口が2つ
見える風景
水が
じゃかじゃか
流れる風景
液体が角張っていて固そうに見えるのは
たぶん
分子量が大きいからで
たぶん
ぼくらが縮んだのか
ぼくら以外全部が膨らんだのか
したからで
こんなに大きなダムの水も
巨人にしてみれば
トイレ一回分で
流れて
しまうのだろう

2013/03/31

33


「好きな数は何ですか?」
「私は、144と145が好きです」

どうして好きなのかというと、
学校でしか会わなかったクラスメイトと街で偶然会って、
そのうちに相手のことを意識して恋に至るように、
私は144とも145とも、
偶然の出会いからお互いの意識が始まるのですが、
深刻なことに この国では重婚は認められていないので、
最終的にどちらかを選択しなければなりません。

12の二乗というすばらしい長所のある144。
一方で145はこれと謂った長所は無く、
5で割っても、29なんて不細工な数になってしまうのですが、
145は私の初恋の数です。
初恋というものはなかなか忘れられません。
そう謂うこともあって、私は145を選びました。
145のことを毎日5で割ったり、5を足して100で引いたりして、
幸せな日々を過ごしました。

そしてある日、私は数列の中で迷子にりました。
初項、第二項と辿って行ったフィボナッチ数の中で、
偶然に144と再会しました。
私たちは何か特別な運命を感じました。
私は144を抱きしめて、そして駆け落ちしました。

私は馬鹿でした。
フィボナッチ数は自然界の現象に数多く出現します。
そんなことも分からずに、144と駆け落ちしてしまったのです。
144は私にいつも付きまといました。
私は144をうっとおしく思うようになりました。
144はストーカーになっていたのです。

私は逃げ出しました。
出来る限りの自然現象から遠ざかりました。
数列にも近づきませんでした。
灯台下暗しだと思い、私は143のところに身を潜めました。
そして私は143に手を出してしまったのです。
つまり、私はロリコンになってしまったのです。

2013/03/19

05


電化製品を分解することで、アフォーダンスという概念を学んた。
蓋の位置、ねじの方向、部品の接着方法、
その物の状態を観察して、その物の役割や意味を推測するのに熱中した。
プラモデルを組み立てる時も設計図は見ない。
観察と工夫と試行錯誤による興奮。

何か。
何かを理解したり、名前をつけたり、概念化たりするとき、
我々はその何かに、何かしらの意味を見出し、または与える。

ここに、ハゲとチビと出っ歯とノッポがいるとして、
そいつらの存在に意味を与える。
ボインと茶髪と眼鏡と天才にも、
何かしらの意味を見出し、与え、
それが出来なければ、彼らを排除し、迫害する。
結局はそれによって意味が見出され、与えれたことになる皮肉。

ミームが複製されて複製されて、
誰かが既に通った発見の道筋をトレースしていても気が付かない。
我々はもう発明家の気分なのだ。

2013/03/04

42



「唐突に走り出す」

などの、急激な運動をすると、口の中が鉄の味わいになります。
鉄の味わいが口の中に広がると、私は小学校の持久走を思い出します。

校庭には一周200メートルのトラックがあって、
最後の角を曲がるところに、背の高い鉄棒と砂場がありました。
砂場は砂遊びする為のものではなく、
高い鉄棒から着地したときの衝撃を吸収するのものであったかと、
記憶しています。

そんな砂場を通りかかる度に、
体力が無かった私は、そこに倒れこむ自分の姿を妄想していました。

ざっ、ざっ、はぁ、はぁ、
ざっ、ざっ、はぁ、はぁ、
白い空の下で半袖半ズボン、
白い湯気を吐いて酸素酸素と口を開けて
寒さで耳と脳味噌がキンキンになって、
目線の先にはあの砂場、
あの角を曲がれば砂場、と、それだけを考えていて、
口の中は鉄の味。

のしかかる重力。
反発する脚力。
地面を蹴って、大気を背負う。
一瞬、重力がなくなって、無重力。
目の前が空だけになって、地面を背負って、倒れていた。
クラスのみんなが、
みんな、駆け寄って来る、
みんな、心配する、心配、心配、軽蔑する。
みんなは、何で倒れないんだろう。
ほら、僕は倒れたよ。
みんなも倒れなよ、倒れなよ、倒れろよ。
担架に乗って、保健室に運ばれて、それから、それから。

結局、その砂場に倒れたことは、一度もありませんでいた。
いつも我慢して走りきってしまいました。
一度ぐらい倒れておけば良かったと悔やんでも悔やみきれません
処理されなかった願望と妄想だけが残ってしまいました。
人前での正しい倒れ方が、未だに分かりません。
そういうわけで、自分は今、道端に倒れているのです。

「道端に倒れる」


2013/02/23

02



『ドキュメンタリーの独白部分』


私は警察官である。
この街の平和を守っている。
街は犯罪者だらけだ。
強盗、強姦、放火、轢き逃げ、街に悪事は溢れ、
朝から晩までサイレンが鳴り響いている。
しかし、私は動じない。
何もしない。
だから私は暇だった。

私は総理大臣である。
この国のために働いている。
この国は曾て無い危機に直面している。
隣国との領土問題、エネルギー資源、教育、経済、人種差別、テロル、
切りがないほどの問題を抱え、閣僚達は頭を抱えている。
しかし、私は動じない。
何もしない。
だから私は暇だった。

僕は大学生なのですが、
大学に入って、すぐに彼女ができて、
それは僕が告白をせずに彼女を押し倒したからで、
だから、ちゃんとは告白をしてなくって、
押し倒して、キスをして、おっぱいを触って、下に手を延ばしたところで、
彼女の手が遮りました。
強引に指先を伸ばして下着に触れると、
その下にナプキンがあるのが分かりました。
彼女は、顔を真っ赤にしていていました。
ごめんね、と彼女が言いました。
僕は、申し訳ない気持ちになって、
とりあえず、キスをしたり、おっぱいを触ったりして、寝ました。
股間は膨らんだままでした。
僕のチンチンは暇でした。

私は原子爆弾である。
この世に安全な場所なんて無い。
私が存在する限り、世界は不安で眠れない。
戦争が始まれば、私が世界を真っ白にするだろう。
空も、海も、大地も、一瞬の光で包み込むだろう。
戦争が始まった。
しかし、私は暇だった。

吾輩は猫である。
名前はまだ無い、どこで生れたかとんと見当がつかぬ。
嘘である。
吾輩には名前がある、どこで生まれたかも覚えている。
子宮の中から記憶がある。
嘘である。
吾輩は猫ではない。
嘘である。
吾輩は天邪鬼なのだ。
忙しいかと聞かれて、忙しいと答えた。
しかし、吾輩は暇だった。

我々は宇宙人だ。
この星を侵略しに来た。
一軒一軒のご家庭のチャイムを鳴らした。
どのご家庭も留守だった。
それから我々は、この星を侵略した。
この星は留守だった。
ヒーローはいなかった。
だから、我々は暇だった。

オレ達はヒーローだ。
この星のヒーローだ。
ところでオレ達は、チャーハンが大好きだ。
オレ達は全員、チャーハンが大好きなヒーローだ。
でも食の好みは様々で、
オレ達のうちの3人はカレーが好きで、
オレ達のうちの2人はラーメンが好きで、
オレ達のうちの1人は炊き込みご飯が大好きだ。
オレ達は食べることが大好きだ。
オレ達は争いを好まない。
そもそもオレ達はヒーロに向いてない。
本当は音楽がやりたかったんだ。
だからオレ達はバンドを組んだ。
学園祭のステージに、オレ達はエントリーした。
目立ちたがり屋のレッドはボーカルをやりたいと言った。
それには、ブルーとグリーンが反対したんだけど、ピンクが賛成した。
「何だよピンク、もしかしてレッドに気があるのかよ?」
「ちょっと、やめてよ、もう、からかわないでよ、男子たち」
「レッドだって、ピンクの前でイイトコ見せたいんだろ?」
「そんなわけねぇだろ、ふざけんなよ」
「あれ?レッドが赤くなってるよ?」
オレ達は喧嘩になった。
でも、オレ達は争いを好まない。
結局バンドは解散。
そのままオレ達は受験生になった。
結局、オレ達に恋人はできなかったけど、オレ達は勉強をしなかった。
青春の真っ只中で、オレ達は暇だった。

私は弱虫である。
街は犯罪者だらけだ。
犯罪者だらけだったが、私は弱虫だったので見逃して貰った。
この国は曾て無い危機に直面している。
危機に直面しているのだが、私は弱虫だったので耳を塞いだ。
彼女は生理中だった。
生理中だったのだが、私は弱虫だったので目を潰した。
戦争が起きた。
私は弱虫だったので生き延びた。
猫が喋った。
私は弱虫だったので無視した。
玄関のチャイムが鳴った。
私は弱虫だったので居留守を使った。
青春時代。
私は弱虫だったので仲間に入れてと言えなかった。


私は警察官である。
私は総理大臣である。
僕は大学生でした。
私は原子爆弾である。
吾輩は猫である。
我々は宇宙人だ。
オレ達はヒーローだ。
私は弱虫である。

私たちは、暇だった。

私は成功者である。
私は呻き声である。
私は天麩羅である。
私は三角形である。

私は想像力である。




2013/02/18

03


鬱憤とタッパーと冷蔵庫はタイムカプセルの材料になる、

だから分解すると、
タイムカプセルは、鬱憤とタッパーと冷蔵庫になって、
僕は、電化製品を捨てる前に一度、分解しないと気が済まないから、
分解されたタイムカプセルの部品の冷蔵庫をさらに分解して、
冷蔵庫は、犬と猫と子供に分解された、

犬と猫と子供は粗大ゴミの日から、洋服ダンスの中で生活していて、
洋服ダンスの上から二段目と三段目の境には、季節の変わり目がある、
暑くも寒くもない時期になって、
タンスの中の冬物と夏物が美意識についてもめ合って、
そのあと、冬物と夏物はファッションショーを催して、
ファッションショーは成功して、冬物と夏物は恋に落ちて、
結婚してハネムーンへ行った、だから、犬と猫と子供は、裸で暮らした、

ハネムーンへ行った冬物と夏物は旅先で、
自分たちが何処にいるのか分からなくする為に地図を捨てる、
時計も捨てる、そうして、何処にいるのかも、何時なのかも、
分からなくなって、互いが誰なのかも、分からなくなる、冬物と夏物、

寒い時期になって、犬と猫と子供は、おしくらまんじゅうした、
身を寄せ合った、身を寄せ合って、ギュッとなって、ひとつに固まった、
ひとつに固まってみたのだが、
犬と猫と子供は、冷蔵庫には、ならなかった、

明くる日、犬と猫と子供は、僕の処にやってきた、
「わたしたちは身を寄せ合ったのですが、冷蔵庫にはなりませんでした」
冷蔵庫は電化製品なので、犬と猫と子供では作れないと、ぼくは教えた、

次の日、ゴミ捨て場に、捨て子が捨てられていた、
気が済まないから、という理由で、捨て子は分解されていた、

僕は、分解されていた、

僕は、犬と猫と子供と、ギュッと固まって、ガクガク震えた、
うううううううううう、

冷蔵庫の中で、時間は止まっている、
冷蔵庫の中で、時間は止まって、食材は身動きとれずに、固まっている、
今朝に主婦が作ったおかずはタッパーに入れられ、動かない、
夜になって、旦那が帰ってきて、タッパーごとレンジで温めて、
チン、と音がして、タッパーの中から鬱憤が溢れ出す、

おおお金にならないこと、すると、怒られる、
おおお金にならないことは、人の為にならないから、
ああああああああああ、
いいいいいいいいいい、
うう鬱憤、

2013/02/16

32


毎日毎日薬を飲んだので、
僕の全身はチンコの大きさになって、女のアソコを出入りする。
出入りして奥にある肉の塊をギュッと掴む。
ギュッと掴んだのは赤ん坊で、赤ん坊を女のアソコから引っ張り出す。
「どうか僕の身代わり代になって人生を全うしてほしい」と伝える。
僕の全身は女のアソコへ入って行って鍵を掛ける。
「空室」というランプは消えて「満室」というランプが点灯した。

アソコの中では白血球が警備をしていた。
見つからないように隠れた。
見つかった。
僕は長い廊下を走って、走って、息を切らし、
突き当たりの左右に二つある部屋の、襖の開いている方に駆け込んで、
襖を閉めた刹那、肉の壁が押し寄せて、僕の全身を包んだ。

心地良い。
終の住み処にしたい。

2013/01/05

22.2


チグリス・ユーフラテス川、
画期的な川、
ロンドン橋、
ブルーベリージャムがあまり好きではないのだが、
冷蔵庫にはブルーベリージャムの瓶が1ダース入っていて、
賞味期限が切れている。

すごくかわいい子供が向かいで蕎麦を食べている、
あ、箸の持ち方が変わってる、変、
ロンドン橋、ゆれる、ゆれる、手で押さえる、橋の持ち方が変、
底辺、欠ける、高さ、悪、2、描ける、翔る、
裸足で歩き出した脳みその体積が歩行した距離の三乗に等しく、
このまま地球の自転が止まっても大丈夫なぐらい、
トマトとセロリと人参を食べてから毎日の排泄を行う。

20年前に山へ修行に行った姉が、
20年間の花嫁修業を終えて、山を下りた、


続く