2012/07/26

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何年生だったかは忘れたけど、小学校の頃、
学校に劇団が来て、みんなで体育館に集まって、みんなで演劇を見た、
テレスコープ大明神、というタイトルで、
でも憶えているのはタイトルだけで、話は憶えていない、
ワクワクしたような気はするけど、面白くは無かったと思う、

子供だった頃、私には嫌いな食べ物がなくって、
というか、食べ物において、
好き嫌いがあるということを知ったときには、驚いて、
というか、薄々は感づいていて、
美味しく無い食べ物、口に合わない食べ物があって、
苦手だとは思っていたけど、それでもそれらを、
嫌いだといって残すのは、悪い気がしたので、
嫌いだから食べなくてよい、というようには考えなかった、

何年生だったかは忘れたけど、従兄弟が私の家に遊びにきて、
一緒に食卓を囲んだとき、従兄弟が謂った、
ねぇママぼくニンジンたべられたよ、
という会話を聞いて、
何を言っているのかと、驚いた、
というか、薄々は感づいていたのだが、

だから、テレビにしても、ゲームにしても、
面白く無い、退屈である、という事と、
だから見ない、だからやらない、という事は、
別の話だと考えていたから、
だから、小学校にきた劇団が面白くなくても、
自分は、じっと見ていたんだと思う、
話は憶えていないけど、舞台装置や役者の衣装は憶えていて、
私の記憶は、人の話よりも、造形物の方が、憶えやすい、

いろんな影響があって、私は絵を描くことが得意で、
賞とか貰って褒められて、
実際に描くことそのものも楽しかったのだけど、
高学年になるにつれて、飽きていって、
算数の問題集ばかり解いていた、
好きなことしかやらなくなって、絵も描かなくなった、
数式を見ているだけでワクワクして、
短い設問で、解くのに何時間もかかる問題が好きで、
算数は面白かった、

また、絵を描くようになったのは、
それから反抗期を挟んで、しばらく経った頃で、
それも、好きで描くという状況ではなくて、
無理矢理に自分に書かせていた、

絵を描くということには、
未だに、うまく、対応できない。